「大和」急速回頭できず、敵機爆撃「被弾!」その時19名の命が一瞬にして散った【特攻まであと4日】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「大和」急速回頭できず、敵機爆撃「被弾!」その時19名の命が一瞬にして散った【特攻まであと4日】

戦艦「大和」轟沈 75年目の真実③

ガァーンと耳に裂ける音

 被害現場は、伝えられる以上の被害があった。 工作科の前宮正一は、「副砲揚弾機の隙間からアーマーに爆弾が飛び込んだ」との報告を受け支援に向かった。

 下甲板配置の高角砲用4番射撃盤員である小野和夫は、「高射器伝令員の電話に、ガァーンと耳に裂ける音がした。一番初め4番高射器がやられ、使用不能となった」ことから左舷後部10番、12番高角砲群が被害を受けたことを直感した。

 主計科の鶴見直市は、「直撃弾、後部電波探信儀室付近から真直ぐ『スポッ』と居住区に入ってきた。これはまともに来たのではないか、という無意識の直感で、瞬間的に防毒面を付けた」と証言している。

 また同じ主計科丸野正八は、「居住区は右舷後部にある罐室の上、機銃か高角砲の弾薬揚弾筒から火が吹いてきた。上からか下からか分からないが『ボカン、ボカン』と火を吹いて爆発した。左舷の副砲塔に砲弾を上げる揚弾機からも火が噴出した。鉄板を閉めに行ったら、パーと炎にやられ服がバラバラになった」と証言している。

 下甲板には副砲塔弾庫と信管室、左に後部主転輪羅信儀室があり、隔壁越しには3番主砲弾庫、最下甲板には副砲塔動力室、給薬室、火薬庫3番主砲塔上部火薬庫があった。(注:弾薬庫の床は木板) 〈「大和」轟沈まであと3日へ・・・つづく〉

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原勝洋

はらかつひろ

戦史研究家

1942年4月、静岡県生まれ。法政大学法学部卒業。

『高松宮日記』(中央公論社)の編集に関する調査に従事。

『文藝春秋』(昭和55年5月号)掲載の「暗号名ウルトラ 山本長官機を撃墜す」は、英訳され現在、米国国立公文書館Ⅱ所蔵の米軍極秘資料「Yamamoto shootdown」ファイルに収録されている。

『戦艦大和発見』辺見じゅんとの共著(ハルキ文庫)、『新装版・ドキュメント戦艦大和』吉田満との共著(文春文庫)の他、『零戦秘録』、『真相・カミカゼ特攻』、『暗号はこうして解読された』、『カラー写真で見る太平洋戦争』、『カラー写真で見る「原爆」秘録』、『真相・戦艦大和ノ最期』、『戦艦「大和」永遠なれ!』、『伝説の戦艦「大和」』(以上、KKベストセラーズ)などの編著がある。

 

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