「大和」急速回頭できず、敵機爆撃「被弾!」その時19名の命が一瞬にして散った【特攻まであと4日】
戦艦「大和」轟沈 75年目の真実③
■ガァーンと耳に裂ける音
被害現場は、伝えられる以上の被害があった。 工作科の前宮正一は、「副砲揚弾機の隙間からアーマーに爆弾が飛び込んだ」との報告を受け支援に向かった。
下甲板配置の高角砲用4番射撃盤員である小野和夫は、「高射器伝令員の電話に、ガァーンと耳に裂ける音がした。一番初め4番高射器がやられ、使用不能となった」ことから左舷後部10番、12番高角砲群が被害を受けたことを直感した。
主計科の鶴見直市は、「直撃弾、後部電波探信儀室付近から真直ぐ『スポッ』と居住区に入ってきた。これはまともに来たのではないか、という無意識の直感で、瞬間的に防毒面を付けた」と証言している。
また同じ主計科丸野正八は、「居住区は右舷後部にある罐室の上、機銃か高角砲の弾薬揚弾筒から火が吹いてきた。上からか下からか分からないが『ボカン、ボカン』と火を吹いて爆発した。左舷の副砲塔に砲弾を上げる揚弾機からも火が噴出した。鉄板を閉めに行ったら、パーと炎にやられ服がバラバラになった」と証言している。
下甲板には副砲塔弾庫と信管室、左に後部主転輪羅信儀室があり、隔壁越しには3番主砲弾庫、最下甲板には副砲塔動力室、給薬室、火薬庫、3番主砲塔上部火薬庫があった。(注:弾薬庫の床は木板) 〈「大和」轟沈まであと3日へ・・・つづく〉
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